横浜市鶴見区に位置する横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校附属中学校(通称:YSFJH)は、2017年の開校以来、驚異的な人気と難易度を誇る公立中高一貫校です。「サイエンス」の名を冠する通り、最先端の理数教育を軸にしていますが、入試(適性検査)では理系能力だけでなく、高度な文系的読解・記述力も求められます。
2026年度(令和8年度)入試に向けて、合格を勝ち取るための傾向と対策を徹底的に解説します。
I. 入試の仕組みと2026年度の展望
YSFJHの入試は、学力試験としての「適性検査」と、小学校からの「報告書」の合計点で合否が決まります。
1. 配点比率(選抜基準)
- 適性検査I(文系): 100点(45分)
- 適性検査II(理系): 100点(45分)
- 報告書(内申点): 100点(5・6年生の成績)
- 合計: 300点満点
- 特徴: 以前は報告書の配点が高かった時期もありましたが、現在は適性検査重視の傾向が続いています。
2. 2026年度の志願倍率予測
例年、男女合わせて5〜6倍程度の高倍率で推移しています。2026年度も、横浜市立南高校附属中学校と並び、横浜市内の公立中高一貫校の最難関として君臨し続けるでしょう。
II. 適性検査I(文系):読解力と横断的要約の壁
適性検査Iは、国語・社会分野を中心とした問題ですが、単なる国語の読解ではありません。
1. 傾向:二つの文章の「共通点」を編む
- 出題形式: 二つの長文を読み、それぞれの主張を整理させた上で、共通するテーマについて自分の考えを書かせる形式が定番です。
- 要約問題: YSFJHが好むのが「横断型要約」です。「筆者Aと筆者Bの考え方に共通する部分を抜き出し、〇〇字以内でまとめなさい」といった、高度な整理能力が問われます。
2. 2026年度対策
- 「45分」の壁: 文章量が非常に多いため、1回読んだだけで内容を構造化する「スキャニング能力」が必須です。
- 作文の型を身につける: 記述問題は150〜300字程度と、都立校に比べれば短めですが、その分「無駄のない論理構成」が求められます。[結論] → [根拠(本文より)] → [自分の体験・意見] の型を徹底しましょう。
III. 適性検査II(理系):初見の事象への「柔軟な思考」
YSFJHの真骨頂と言えるのが適性検査IIです。ここが最大の差がつくポイントです。
1. 傾向:知識を「現場」で使いこなす
- 算数分野: 「立体図形(空間把握)」「数の性質」「場合の数」が頻出。特に会話文形式で、ヒントを読み解きながら解き進めるスタイルです。
- 理科分野: 専門的な科学テーマ(過去には深海調査やQRコードの仕組みなど)が出題されます。知識そのものよりも、「その場で与えられた説明文を理解し、数値計算に落とし込む力」が問われます。
2. 2026年度対策
- 実験考察のシミュレーション: 「もし条件Aを変えたら、結果はどう変わるか?」という仮説を立て、それをグラフや表から証明する練習を積んでください。
- 算数の「捨て問」判断: 難問が1〜2題混ざることがあります。完答を目指すより、取れる問題を確実に取る「得点マネジメント」を過去問演習で養いましょう。
IV. 合格を分ける「サイエンス・マインド」
YSFJHは、単に勉強ができる子ではなく、「なぜ?」を突き詰める子を求めています。
- 時事への関心: 科学ニュース(AI、環境問題、宇宙開発など)に対し、自分の言葉で説明できるレベルまで興味を広げておきましょう。
- 報告書の管理: 報告書(内申点)の配点は1/3を占めます。主要教科はもちろん、図工・音楽・体育・家庭科などの実技科目でも「大変よい(3)」を揃える必要があります。
V. 2026年度 合格へのロードマップ
| 時期 | 学習テーマ | アクション |
| 小6 春〜夏 | 私立併願レベルの基礎 | 算数の特殊算や理科の計算(電流・てこなど)を完璧にする。 |
| 9月〜11月 | 適性検査形式の特訓 | 横浜市共通問題やYSFJHの過去問を解き、独特の会話文形式に慣れる。 |
| 12月〜1月 | 記述の精度向上 | 塾の先生による作文添削を週に数回実施し、加点されるポイントを掴む。 |
| 2月3日 | 本番 | 未知のテーマにワクワクできる精神状態で検査に臨む。 |
VI. まとめ:2026年の受検生へ
YSFJHの適性検査は、見たこともないグラフや聞いたこともない用語が次々と登場します。そこでパニックにならず、「答えはすべて問題文の中にある」と信じて読み解けるかどうかが勝負です。
合格の先には、世界最高峰の実験設備と、知的好奇心に溢れた仲間との6年間が待っています。

