法政大学中学校(法政中)の入学試験について、合格を勝ち取るための戦略を解説します。
法政中は、東京都三鷹市に位置する共学校で、法政大学への高い内部推薦率(約85%〜90%)を維持しながら、他大学進学にも対応できる高い学力を養うことで非常に人気が高い学校です。入試問題は一見するとオーソドックスですが、「正確な知識」「粘り強い思考力」「高い事務処理能力」が三位一体となって問われます。
各科目の深掘り解説と合格へのロードマップです。
1. 法政中入試の全体像と「合格へのマインドセット」
法政中の入試は、第1回(2/1)、第2回(2/2)、第3回(2/4)の計3回実施されます。
1-1. 難易度の推移と倍率の壁
各回ともに倍率は3倍〜5倍を超え、特に第2回以降は併願校としての受験者が流入するため、偏差値以上の激戦となります。合格ラインは全教科合計で6割強(190点/300点満点付近)が目安ですが、第3回はさらに跳ね上がる傾向にあります。
1-2. 「基礎」を侮る者が落ちる試験
法政中の問題は、難解な奇問はほとんど出ません。しかし、「誰もが解ける問題を、1問も落とさない精度」が極めて重要です。ケアレスミス1つが、そのまま不合格に直結するシビアな戦いです。
2. 【算数】「解法の美しさ」よりも「粘り強さ」
算数(100点/50分)は、スピードと正確性の勝負です。
2-1. 出題構成
- 大問1:計算・小問集合(ここで確実に40点以上を稼ぐ)
- 大問2〜5:応用問題(図形、速さ、割合、規則性が頻出)
2-2. 頻出単元の完全攻略
- 速さとグラフ: 法政中の名物とも言えるのが、動点や旅人算とグラフの融合問題です。
- 対策:グラフの「折れ曲がり」が何を意味するのかを即座に言語化できるようにしましょう。
- 平面・立体図形: 面積比、相似、回転体、水槽問題が頻出です。
- 対策:特に「立体の切断」や「表面積」の計算など、ミスが出やすい単元を徹底的に演習してください。
- 規則性と条件整理: 力技で書き出す問題よりも、表を書いて「きまり」を見つける問題が好まれます。
2-3. 「部分点」を狙う記述力
法政中の算数には「考え方を書く問題」が含まれます。
- 対策:答えが間違っていても、立式や図が正しければ部分点が入ります。普段から「計算用紙を綺麗に使う」ことを意識し、他人が見てわかる思考プロセスを残す癖をつけましょう。
3. 【国語】「文章の意図」を正確に射抜く
国語(100点/50分)は、文章量が非常に多く、速読力と要約力が試されます。
3-1. 出題構成
- 読解2題:物語・小説、論説・説明文
- 知識事項:漢字、語句、文学史など
3-2. 読解のポイント
- 論説文:対比構造(西洋と日本、個人と社会など)を捉える力が求められます。接続詞に注目し、筆者の主張を一文で要約する練習が有効です。
- 物語文:登場人物の心情が「行動」や「情景」にどう投影されているかを読み解く必要があります。法政中は、直接的な心情表現よりも、比喩的な表現から答えを導く問題が多い傾向にあります。
3-3. 知識・漢字の完成度
法政中の漢字・語句問題は比較的スタンダードですが、範囲が広いです。
- 対策:四字熟語、ことわざ、慣用句、敬語表現まで網羅的に学習しましょう。ここで時間をかけずに即答できるかどうかが、読解に回せる時間を左右します。
4. 【社会】「歴史の流れ」と「時事」の連動
社会(50点/30分)は、スピード感が極めて重要です。
4-1. 歴史:時代の結びつき
単なる年号暗記ではなく、「なぜその制度ができたか」「その結果どうなったか」という因果関係が問われます。
- 対策:時代の移り変わりを「政治・経済・文化」の3軸で整理しましょう。
4-2. 地理:地図とデータの読み取り
日本地理を中心に、地形図の読み取りや統計資料の分析が出題されます。
- 対策:各都道府県の産業の特色を、最新の統計データ(農産物・貿易など)とともにアップデートしておいてください。
4-3. 公民・時事:法政らしさ
大学附属校として、時事問題への関心は非常に高いです。
- 対策:環境問題、国際情勢(紛争や条約)、憲法関連のニュースには敏感になりましょう。「法政大学(法学部など)」のイメージ通り、ルールや制度に関する問題は丁寧に学習すべきです。
5. 【理科】「実験データ」の論理的分析
理科(50点/30分)は、図や表を用いた問題が多く、その場で考える力が試されます。
5-1. 四分野のバランス
- 物理:電気、磁石、力学(てこ、滑車)。
- 化学:水溶液の性質、中和、気体の発生。
- 生物:植物の観察、人体、昆虫。
- 地学:天体、地層、気象。
5-2. 実験・観察問題の攻略
「実験の条件を一つだけ変える(対照実験)」の考え方がベースになります。
- 対策:教科書に載っている基本的な実験は、手順・道具の名前・結果・注意点をすべて図解できるようにしておきましょう。
6. 合格のための「時期別ロードマップ」
6-1. 夏〜秋:穴を埋める徹底基礎
- 算数:典型題を「無意識」に解けるまで繰り返す。
- 国語:長文に対する抵抗感をなくし、要約力を鍛える。
6-2. 冬:法政特化の過去問演習
- 時間配分の確立:30分(理社)や50分(算国)は想像以上に短いです。「捨てる問題」を瞬時に判断する訓練を行いましょう。
- 第1回〜第3回の傾向差:回を追うごとに難易度が上がるため、過去問は回数別にすべて目を通すことが望ましいです。
6-3. 直前期:精神の安定と健康管理
- 附属校入試は「倍率」がプレッシャーになりますが、「周りの受験生のほとんどは基礎が抜けている」と信じて、自分のミスを減らすことに集中してください。
7. 最後に:法政大学中学校を目指す君へ
法政中は、入学後に「自由と進歩」の学風を体現できる生徒を求めています。 入試問題は、君たちが中学に入ってから論理的に議論し、新しい知識を吸収する準備ができているかを測るためのものです。
難しい問題を解くことばかりが勉強ではありません。 「なぜこの答えになるのか」を常に自分に問いかけ、言葉にする努力を続けてください。その「考えるプロセス」を楽しめるようになったとき、合格の扉は必ず開きます。

