東京都国分寺市に広大なキャンパスを構える早稲田実業学校中等部(以下、早実)は、早稲田大学の系属校として、初等部から大学までの一貫教育の核を担う共学校です。
2026年度(令和8年度)入試は、「女子の超高倍率」と「スピード勝負の処理能力」が合格を分ける鍵となります。早実合格を確実にするための徹底攻略ガイドをまとめました。
I. 2026年度入試の全体像:男女格差と激戦の構造
早実の最大の特徴は、男女別定員による合格難易度の差です。
1. 募集定員と入試結果(2025年度実績)
- 募集人員: 男子 約70名、女子 約40名
- 2025年度結果:
- 男子: 受験者345名 → 合格者80名(倍率4.3倍)/ 合格最低点 184点(61%)
- 女子: 受験者202名 → 合格者46名(倍率4.4倍)/ 合格最低点 196点(65%)
- 2026年度の傾向: 常に女子のボーダーが男子を10〜15点上回ります。女子受験生は「ミスが1つも許されない」という覚悟が必要です。
2. 配点構成(300点満点)
- 国語(100点/60分)
- 算数(100点/60分)
- 社会(50点/30分)
- 理科(50点/30分)
II. 科目別・徹底攻略戦略:早実が求める「タフな処理力」
早実の問題は、早大学院のような深遠な思考よりも、「標準〜やや難レベルを、短時間で正確に大量に解く」実務的な能力が重視されます。
1. 【算数】「平面図形の閃き」と「計算の精度」
- 傾向: 大問5題構成。「平面図形(特に円・おうぎ形)」「立体図形の水槽・切断」「速さと比」が頻出です。
- 2026年対策:
- 図形の複合問題: 複数の図形が重なった面積を求める際、補助線を引いて「相似」や「面積比」を瞬時に見抜く訓練が必要です。
- 条件の整理: 速さの問題では、状況をダイヤグラムや線分図に手際よく整理し、比を駆使して解くスピードが求められます。
- 2026年注目単元: 新課程の影響で、「データの活用(平均・中央値・散布図など)」の小問が出る可能性に備えておきましょう。
2. 【国語】「1万字超の超長文」を読み解く持久力
- 傾向: 大問2題。合計の文字数が1万字を超える年もあり、中学受験界でも屈指の分量です。
- 2026年対策:
- 速読・精読の両立: 漫然と読むのではなく、設問を先に確認し、必要な箇所を素早く抜き出す「検索型読解」を身につける必要があります。
- 心情変化の記述: 小説では、長いスパンでの「心の動き」を50〜80字でまとめる問題が頻出。本文の言葉を適切に繋ぎ合わせる練習を。
3. 【社会】「実業」らしい多角的な視点
- 傾向: 地理・歴史・公民から満遍なく出題。早実の名前通り、「産業・経済」に関する問題が手厚いのが特徴です。
- 2026年対策:
- 統計資料の読み取り: 日本の貿易品目、エネルギー自給率、農業生産額などのグラフから、現在の日本の課題を推察させる問題に対応しましょう。
- 伝統の「漢字指定」: 地名や人名は、難読なものでも漢字で正確に書くことが求められます。
4. 【理科】「計算問題」のスピードと正確性
- 傾向: 4分野から出題。化学の「水溶液・中和」、物理の「電気・バネ」の計算が中心です。
- 2026年対策:
- リード文の把握: 実験の手順が長いことが多いため、条件を読み飛ばさずに計算式を立てる冷静さが不可欠。
- 生物・地学の細部知識: 季節の星座や植物の分類など、細かい知識問題での失点は命取りになります。
III. 2026年度合格への時期別ロードマップ
| 時期 | 学習テーマ | アクション |
| 小6 夏休みまで | 基礎の徹底と弱点克服 | 四谷大塚・SAPIXの偏差値で、男子64、女子68を目標に据える。 |
| 9月〜11月 | 実戦演習と時間意識 | 「早実オープン模試」で男女別の立ち位置を確認。過去問を時間を10分短縮して解く練習。 |
| 12月〜1月 | 早実特化・ミス殲滅 | 過去問10年分×2周。ミスした理由は「知識不足」か「処理ミス」か徹底分析。 |
| 2月1日 本番 | 去華就実の精神 | 「華やかさを去り、実に就く」の校訓通り、一問一問を泥臭く勝ち取る。 |
IV. 早実を選ぶということ:伝統と革新のハイブリッド
早実は、王貞治氏をはじめとする数多の偉人を輩出してきた伝統校ですが、その教育は常に先進的です。大学推薦枠をほぼ全員が持ちながら、部活動や行事に全力投球できる環境は、他校にはない熱気(早実スピリット)に溢れています。
V. 2026年・合格へのメッセージ
国分寺の校舎へ続く坂道を、憧れの紺の制服で歩く自分を想像してください。2026年2月1日、試験会場に座るあなたは、これまでの努力という最強の武器を持っています。特に女子は、日本最高峰の激戦となりますが、その壁を越えた先には、最高の6年間が待っています。

