東京都杉並区の閑静な住宅街に位置する立教女学院中学校。キリスト教(日本聖公会)の教えを礎としたリベラル・アーツ教育、美しい校舎、そして立教大学への高い推薦枠(例年約6〜7割)を併せ持つ、女子校の中でも屈指の人気を誇る難関校です。
2026年度(令和8年度)入試に向けて、合格を勝ち取るための傾向と対策を、教科別に徹底解剖します。立教女学院の入試は、偏差値上の難易度以上に「高い事務処理能力」と「柔軟な思考力」の両立が求められる、非常に練られた内容となっています。
I. 入試の基本構造と2026年度の展望
立教女学院の入試は、2月1日の1回のみ。この「一発勝負」が、受験生の心理に大きなプレッシャーを与えます。
1. 入試データと合格ライン
- 試験科目: 算数(100点/50分)、国語(100点/50分)、理科(50点/30分)、社会(50点/30分)
- 合格最低点: 例年、得点率 65%〜70% 前後。
- 難問で点を稼ぐよりも、標準的な問題を確実に正解し、ミスを極限まで減らす「失点しない戦い」が必要です。
2. 2026年度の難易度予測
例年、四谷大塚偏差値で 61〜63 前後を推移しています。2月1日には桜蔭、女子学院、雙葉といった最難関校が並ぶため、これらの学校と併願、あるいは立教女学院を第一志望とする層の厚い戦いとなります。
II. 算数の傾向と対策:スピードと「捨て問」の判断力
算数は、大問数が多く(例年6〜8題)、時間に対して設問数が非常に多いため、1問にかけられる時間は極めて短いです。
1. 傾向分析
- 前半の小問集合: 計算、一行問題が並びます。ここで時間をかけすぎると後半が間に合いません。
- 頻出単元:
- 図形: 平面図形の「面積比・相似」は必出。立体図形の「表面積・体積・切断」も難易度が高い。
- 速さ: 旅人算、通過算、グラフ(ダイヤグラム)の読み取り。
- 数の性質: 規則性、場合の数。
- 特徴: 「式や考え方を書かせる」問題が数問含まれます。答えが間違っていても部分点がもらえるため、白紙にしないことが鉄則です。
2. 2026年対策
- 「50分で完走」する練習: 過去問演習の際は、10分短い40分で解く練習をし、スピード感を体に染み込ませましょう。
- 基本の徹底: 難解な応用問題を1題解くよりも、一行問題レベルを100%正解する精度を磨いてください。
- 記述の整理: 算数のノートを使い、誰が見ても分かる論理的な式を書く習慣をつけましょう。
III. 国語の傾向と対策:豊かな「想像力」と「多読」の壁
国語は、文章の質が非常に高く、受験生の内面的な成長を問うような物語文や随筆が多く選ばれます。
1. 傾向分析
- 超長文: 文章量が非常に多く(8,000字以上になることも)、速読力は必須条件です。
- 設問形式: 記号選択、抜き出し、記述がバランスよく配置されています。
- 内容: 「キリスト教的隣人愛」や「自己の成長」といったテーマが背景にあることが多く、表面的な読解ではなく、登場人物の深い心情理解が求められます。
2. 2026年対策
- 語彙力の強化: 漢字の書き取りだけでなく、言葉のニュアンス(情緒的な表現)を理解するための語彙を増やしましょう。
- 要約練習: 長い文章を100字〜150字でまとめる練習を積んでおくと、記述問題への対応力が格段に上がります。
IV. 理科・社会の傾向と対策:基礎知識の「正確性」
理社は各30分と短いため、反射的に答えが出るレベルまで知識を研ぎ澄ませる必要があります。
1. 理科(50点/30分)
- 傾向: 4分野からバランスよく出題。計算問題(天秤、バネ、中和反応)の配点が高いため、ここでの失点は響きます。
- 対策: 基本的な用語の暗記はもちろん、「なぜその実験結果になるのか」という原理を言葉で説明できるようにしておきましょう。
2. 社会(50点/30分)
- 傾向: 地形図の読み取り、歴史の年代並べ替え、時事問題が頻出です。
- 対策: 地図帳を徹底的に使い込み、地名だけでなく産業や気候の特徴をリンクさせて覚えましょう。時事問題は、キリスト教に関連する世界の出来事や、女性の社会進出に関するニュースに注目です。
V. 合否を分ける「面接」と「志望理由」
立教女学院には、筆記試験の後に「面接(本人・グループなど形式は年度により変動)」があります。
- 目的: 学力だけでなく、同校の教育理念に賛同し、6年間を共に過ごせる生徒かどうかを確認します。
- 対策: 「なぜ立教女学院なのか?」「入学してどのようなことに挑戦したいか?」を、自分の言葉でハッキリと伝える準備が必要です。小学校時代の活動や読書経験なども振り返っておきましょう。
VI. 2026年度 合格へのロードマップ
| 時期 | 学習テーマ | アクション |
| 小6 夏休み | 全範囲の穴を埋める | 算数の特殊算、理科の計算分野を完璧にする。 |
| 9月〜11月 | 過去問演習とスピード強化 | 過去10年分の過去問を、時間を意識して解く。 |
| 12月〜1月 | 弱点補正と面接準備 | 間違えた問題を「宝の山」として解き直す。面接のシミュレーションを行う。 |
| 2月1日 | 本番当日 | 「自分は立教女学院にふさわしい」という自信を持って挑む。 |
VII. 最後に:立教女学院が求める「輝く女性」へ
立教女学院の入試問題は、知識の量だけを測るものではありません。「情報を整理し、論理的に考え、自分の言葉で表現する」という、将来社会で活躍するために必要な基礎体力を試しています。
合格の先には、キリスト教の教えに基づいた「自由と愛」に満ちた素晴らしい6年間が待っています。2026年、井の頭のキャンパスで笑顔で春を迎えるために、今は一歩ずつ、着実に基礎を固めていきましょう。

