ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン(Harrow International School Appi Japan:以下、ハロウ安比)の入学試験について、その独自の選考プロセスと、合格を勝ち取るための戦略を解説します。
ハロウ安比は、英国の名門パブリックスクール「ハロウ校」の伝統を引き継ぎ、岩手県安比高原の大自然の中に設立されたフルボーディング(全寮制)スクールです。その入試は、日本の一般的な中学入試とは全く異なり、「英語力」「学力(論理的思考)」「キャラクター(人間性)」を多角的に、かつ非常に高度なレベルで測定します。
1. ハロウ安比入試の全体像:何が評価されるのか
ハロウ安比が求めているのは、単に勉強ができる生徒ではありません。「Fellowship(連帯感)」「Honour(名誉)」「Humility(謙虚さ)」「Courage(勇気)」というハロウの4つのバリューを体現できるリーダー候補です。
1-1. 選考の三本柱
選考は大きく分けて以下の3つのフェーズで構成されます。
- Computer-based Assessment(CAT4等): 知能・学力の測定
- English Proficiency Test: 英語運用能力(読み書き・スピーキング)
- Interview: 学校長やシニアスタッフによる面接
1-2. 学年(Year)による違い
英国式カリキュラムを採用しているため、入学時の年齢によってYear 7(小学6年〜中学1年相当)からYear 10程度までが主な募集枠となります。上の学年になればなるほど、アカデミックな英語力の要求水準は飛躍的に高まります。
2. 【CAT4】知能診断テストの攻略
ハロウ安比を含む多くの国際校で採用されているのがCAT4(The Cognitive Abilities Test Fourth Edition)です。これは「現在の知識」ではなく「学習の潜在能力」を測るテストです。
2-1. 4つのセクション
- Non-verbal Reasoning(非言語推論): 図形のパターンや変化を読み解く力。
- Verbal Reasoning(言語推論): 言葉の類似性や論理的な関係を抽出する力。
- Quantitative Reasoning(数関係推論): 数列や数的な法則を見つける力。
- Spatial Reasoning(空間推論): 図形を頭の中で回転させたり、展開したりする力。
2-2. 対策方法
日本の塾で習う「算数」とは異なり、パターン認識のスピードが問われます。
- 対策: 英語圏のCAT4対策問題集(Bond Onlineなど)を使用し、問題形式に慣れることが必須です。
- ポイント: 知識の詰め込みは通用しません。パズルを解くような脳の柔軟性を鍛えてください。
3. 【英語試験】「ネイティブ基準」への到達
ハロウ安比の授業はすべて英語で行われます。そのため、入学時点で「英語を学ぶ」段階ではなく**「英語で学ぶ」**準備ができているかが厳しくチェックされます。
3-1. Writing(エッセイ)
単なる英作文ではなく、「Creative Writing(物語創作)」や「Persuasive Writing(論理的な意見文)」が求められます。
- 傾向: 「ある日、不思議な扉を見つけました。その先で何が起きましたか?」といった想像力を問うものから、「学校でのタブレット使用制限に賛成か反対か」といった社会的なテーマまで多岐にわたります。
- 対策: 豊かな語彙(Vocabulary)と、接続詞を駆使した論理構成(PEEL法:Point, Evidence, Explanation, Link)をマスターしましょう。
3-2. Reading Comprehension(読解)
文学的なテキストからノンフィクションまで、文脈の中での語彙の意味や、作者の意図を深く読み取る力が問われます。
4. 【面接】リーダーシップとキャラクターの証明
もっとも比重が高いのが面接です。ここでは英語力もさることながら、「自分の意見を持っているか」「他者とどう関わるか」が見られています。
4-1. 予想される質問例
- “Why Harrow Appi?”(なぜ他のインターではなく、安比の全寮制なのか?)
- “Tell us about a time you showed courage.”(あなたが勇気を示した経験を教えてください。)
- “What can you contribute to our boarding community?”(全寮制のコミュニティにあなたはどう貢献できますか?)
4-2. 攻略の鍵:情熱と好奇心
- 安比の環境への理解: 「スキーが好き」「大自然の中で学びたい」といった具体的な志望動機が歓迎されます。
- 課外活動の提示: スポーツ、音楽、プログラミング、ボランティアなど、自分が熱中しているものを「なぜ好きなのか」という哲学とともに語れるように準備しましょう。
5. 合格のための「ロードマップ」
5-1. 1年前〜半年前:英語力のブースト
- 英検準1級〜1級程度の語彙力を目指す。
- ネイティブの先生とのディスカッションに慣れる。
- CAT4のサンプル問題を解き、弱点(特に空間推論など)を補強する。
5-2. 3ヶ月前:エッセイと自己分析
- 過去の成功体験、失敗体験をハロウの4つのバリューに紐づけて整理する。
- 毎日1つテーマを決めて、英語で300語程度のエッセイを書く訓練をする。
6. まとめ:ハロウ安比が求める「真の姿」
ハロウ安比は、岩手の厳しい冬や豊かな自然の中、共同生活を通じて成長するタフなエリートを育てようとしています。試験対策は「テクニック」だけでは不十分です。
「自分はこの学校で、仲間とともにどんな未来を創りたいのか」
この問いに対する、あなただけのオーセンティック(本物的)な答えを用意してください。

