京都府立洛北高等学校附属中学校(以下、洛北附属中)の入学試験について、2026年度(令和8年度)入試を見据えた攻略ガイドを解説します。
洛北附属中は、京都府内最古の公立中高一貫校であり、かつてノーベル賞受賞者を輩出した旧制京都一中の流れを汲む、理数教育と探究活動に特化した超難関校です。その入試(適性検査)は、知識の再生ではなく、「未知の課題に対して、既有の知識をどう運用し、論理を構築するか」を極めて高いレベルで問われます。
1. 洛北附属中入試の「全体構造」と2026年動向
洛北附属中の受検は、適性検査(I・II・III)、面接、および報告書(内申書)の総合判定で行われます。
1-1. 試験の構成と時間配分
- 適性検査I(国語・言語領域):50分 / 100点
- 適性検査II(算数・理系領域):50分 / 100点
- 適性検査III(社会・資料分析領域):50分 / 100点
- 面接:集団面接形式
1-2. 2026年度入試の展望
洛北附属中は、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校としての特色を色濃く反映し、近年は「科学的思考力」をより重視する傾向にあります。2026年度も、単純な正解よりも「なぜその結論に至ったか」という論理の筋道を評価する方針が維持される見込みです。また、京都府内の他の一貫校(西京など)と比較しても、「図形・論理パズル」および「科学エッセイ的読解」の難易度が非常に高いのが特徴です。
2. 【適性検査I】言語表現と科学的洞察(国語領域)
適性検査Iは、読解問題と約400字の作文で構成されます。
2-1. 出題傾向:読解文のテーマは「科学と学習」
- テーマの偏り:一般的な物語文よりも、科学、自然、哲学、学習の本質を説く論説文や随筆が多く出題されます。
- 超長文の作文:読解問題(大問2つ程度)を解いた後、残りの20分程度で400字前後の作文を書かなければなりません。
- 要約力の要求:傍線部の理由を説明する問題では、本文の言葉を適切に繋ぎ合わせる「論理的編集力」が問われます。
2-2. 具体的対策
- 「論理作文」の型を固定する: いきなり書き始めるのではなく、「主張→理由・根拠(実体験)→まとめ」の構成を3分で作る訓練をしてください。
- 科学系新書に親しむ: 子供向けの科学解説本や、ブルーバックスのような平易な科学随筆を読み、専門的なテーマに対する抵抗感をなくしましょう。
- 語彙の「意味」を深く理解する: 「客観」「主観」「検証」「分析」といった言葉を、自分の言葉で定義できるレベルまで高めてください。
3. 【適性検査II】論理的思考と図形の極致(算数領域)
適性検査IIは、洛北附属中入試の最大の勝負どころとなる理系科目です。
3-1. 出題傾向:図形と論理パズル
- 図形の空間把握:平面図形の折り畳み、立体の切断、回転体などが頻出です。
- 規則性の発見:一見複雑な数字の並びから、隠された法則(フィボナッチ数列や魔法陣など)を導き出させます。
- 答えに至るまでの記述:多くの問題で「考え方を説明せよ」という指示があります。数式だけでなく、図や言葉を交えた説明が必須です。
3-2. 具体的対策
- 「図を動かす」脳内トレーニング: 頭の中で展開図を組み立てたり、立体を回転させたりするパズル系問題集(「天才脳ドリル」など)を低学年から積み上げることが有効です。
- 捨て問の判断力: 洛北の算数は非常に時間が足りません。5分考えて手が止まったら次の問題へ行く「時間マネジメント」が合否を分けます。
- 「対照実験」の思考: 理科的分野では、条件を一つずつ変えて結果を予測する思考法を徹底的に叩き込んでください。
4. 【適性検査III】多角的な資料分析と社会課題(社会領域)
適性検査IIIは、地理、歴史、公民の知識をベースに、膨大な統計資料を読み解く力が見られます。
4-1. 出題傾向:データの相関性を読み解く
- 資料の多重提示:グラフ、表、地図が3つ以上提示され、それらの関係性を記述させます。
- 地域課題とSDGs:京都の伝統産業や観光、あるいは地球規模の環境問題など、広範なテーマが扱われます。
- 計算を伴う分析:人口密度や食料自給率など、算数的な処理を伴う資料分析が必ず出題されます。
4-2. 具体的対策
- 「グラフのタイトル」に注目する: 資料の読み間違いを防ぐため、単位(%か人か)や出典を確認する癖をつけましょう。
- ニュースの自分事化: 時事問題を単なる知識として覚えるのではなく、「自分たちができる対策は何か」を論理的に話せるように家族で議論してください。
- 計算の迅速化: 資料中の大きな桁の数値を概数(およその数)で捉え、素早く比較するスキルを磨きましょう。
5. 【面接・報告書】洛北が求める「探究の徒」
5-1. 集団面接のポイント
面接は、自分をアピールする場であると同時に、「他者と協働できるか」を見られる場です。
- 頻出質問:
- 「洛北でどのような研究に取り組みたいか」
- 「困難に直面したとき、仲間とどう解決するか」
- 対策:自分の興味のある科学的テーマや社会課題を一つ持ち、それについて熱意を持って語れるように準備しましょう。
5-2. 報告書(内申点)の戦略
5・6年生の全教科が評価対象です。洛北はSSH指定校であるため、理科・算数はもちろんですが、全教科にわたる「知的好奇心」が評価の対象となります。特に「総合的な学習の時間」での取り組み内容は重要です。
6. 合格への「戦略的ロードマップ」
- 小5まで:基礎学力とパズル脳の育成
- 算数の図形・規則性に強い関心を持たせる。
- 自ら百科事典や図鑑で調べる「自調自考」の習慣を作る。
- 小6夏まで:銀本(全国適性検査過去問)での演習
- 他県の良質な適性検査問題を解き、資料読み取りと記述に慣れる。
- 小6秋〜直前:洛北・西京特化の過去問研究
- 過去10年分を3周し、洛北特有の「図形の難しさ」と「作文のテーマ」を身体に染み込ませる。
7. まとめ:洛北を目指す君へ
洛北附属中の入試は、「知的な格闘」です。一筋縄ではいかない問題に遭遇したとき、「分からない」と投げ出すのではなく、「どうすれば解けるか」とワクワクできる生徒を、洛北は待っています。
2026年度、世界を科学の力で変えたいと願う君が、洛北の門を叩くことを期待しています。

