高校生活を前にして、新たな環境・友達・部活・勉強そして進路と、楽しみや不安など様々な思いがあるかと思います。その中で最も漠然とした不安である「高校生以降の不安」について、少しでもそれを取り払っておきましょう。
3年後の大学入試は、お父さん・お母さんのころとは全然違う!
「高校を卒業したら、今度は大学に行くのかなあ」とまだ先のことについては「なんとなく」の人が多いと思います。今はそれで大丈夫なのですが、いつかはっきりと「大学に行く」「〇〇大学に行きたい」となったときに、手遅れという状況では困りますよね。皆さんが大学を受験するときのことを知っておきましょう。
●1990 年代の大学入試(お父さん、お母さんのころの大学入試)
1990 年代、お父さん、お母さんのころの大学入試は約 80%が一般入試(学力試験の一発勝負)でした。推薦入試は「学校の成績が特に優れていた一部の人が受けられる試験」でした。
●2026 年の大学入試(皆さんが受験する時の予測)
皆さんが大学を受験するころは、学校推薦型選抜・総合型選抜という推薦入試に類する入試の比率が半分をはるかに超え、65%程になることが予想されています(これは推薦入試比率が低い国公立大学を含めた数値なので、私立大学に限定すればもっと高くなります)。
このことから言えるのは、お父さん・お母さんのころは「大学入試は学力試験の一発勝負。学校の成績が良い一部の生徒は推薦入試を利用した」ものでしたが、皆さんの時は「推薦型の入試が大学入試のスタンダードで、それが受けられない人が、少ない枠の学力試験にチャレンジする」というものになるということです。一般選抜(学力試験)は一発勝負ですのでたとえば学校の勉強をある程度疎かにしていたとしても、思い立ったところから死に物狂いで勉強することで学力を上げ合格することができたのですが、皆さんが受験するころの「推薦型の入試がスタンダード」になると、高校入学時からの取り組みが問われるため、「高 2 の冬で大学に行きたい気持ちが固まったので、そこから頑張る」では手遅れになる可能性が高いということです。
高校の成績は、中学のころとはここが違う!
高校における「成績」で気をつけておかなければいけないことは主に以下の 2 点です。
●3 年間すべての成績が見られる
推薦型の入試では、学校の成績を選考に含むものが多いですが、その成績は 3 年間すべての成績の平均値(評定平均といいます)を見るため、たとえば「高 2 の 2 学期以降は抜群の成績を取っているが、それ以前は良くなかった」ではまずいわけです。もっと言えば「高校の出だしだけ失敗してしまった」でも、これが足かせとなって推薦が受けられないなんてこともあり得ます。皆さんの大学受験は、「高 1 からしっかりやっておかないといけない」時代といえるのです。
●周りの環境が中学と全く違う
成績を取るうえで中学までと大きく異なることがあります。それが周りの環境です。たとえば中学の頃の自分が「成績は 4 と 3 が半々くらい」だったとしましょう。中学には「オール 5 に近く、こんな人にはどんなに頑張っても勝てそうにない」というようなトップ校に合格する人もいれば「2 ばかりで 1 もある、自分が勉強せずにテストを受けても負けることがない」というような自分よりもずっと学力の低い人もいたはずです。しかし高校は、自分と近い学力の人たちの集まりです。以下の図を見てもらうと分かりやすいはずです。
高校では周りが全員「成績 4 と 3 が半々」の自分と近い学力の人たちになります。つまり、少し頑張るとトップクラスの成績が取れますが、逆に気を抜くと一気に 100 人単位の人に抜かれて落ちこぼれてしまうこともあります。成績は絶対評価(順位に関係なく自分がとった点の分だけ成績がつく)ですが、実際にはある程度順位に基づいて成績がつけられますから、わずか数点の差で成績が変わってしまうなどの厳しい戦いになります。
高校生活で出てくる後悔の声の多くは「もっと早くから勉強しておけばよかった」というものです。そうした人の多くが「高校入試が終わって、一息つきたくて」「部活もあるし」などの理由から学習のペースを崩しているところが共通しています。高校に合格してほっと一息はわかりますが、まずは高校のスタートを頑張ってみましょう!
新学習指導要領1年目
新学習指導要領では「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力・人間性」が重視されます。その中で大きな特徴になっているのが「探求型学習」です。これは従来型の「教わって覚える。それをテストの結果で出す」という形から「自ら課題を見出し、解決し、発表する」という学びです。従来型の基本知識の他、新たな取り組みが求められます。
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